整形外科
整形外科とは
整形外科では、運動器(全身の運動に関係する器官や組織の総称で、骨、神経、筋、関節 などが含まれる)で起きた病気やケガについて、部位や症状の程度に関係なく、幅広く診療していきます。
なお整形外科には、年齢制限はなく、生まれて間もない乳児からご年配の方まで全ての世代の方を対象としていますので、親子三世代で遠慮なくご受診ください。
当診療科は、ぎっくり腰や腰痛、手首や足を捻ったことによる捻挫や骨折、転倒して打撲やケガをした、背中が丸くなった、肩や首がこる、膝が痛い、手や指などを使い過ぎて腱鞘炎が起きている、など日常生活でよく起きる運動器の疾患やケガを主な対象としています。なおスポーツによるケガに対しては、特殊なケールが多いので、都度治療方針をを検討します。また交通事故や労災によるケガにつきましてもお気軽にお問い合わせください。
また当院整形外科担当の伊賀誠医師は『明石医療センター』に非常勤で勤務しております。同じ担当医でスムーズに急性期基幹病院への紹介が可能です。
以下のような症状はご相談ください(例)
- 肩や首がこる
- 腕が上がらない
- 首、肩、腕、肘、手などが痛む
- 腰、股関節、膝、足、背中などが痛む
- 手や足などがしびれる、感覚が鈍い
- 手足に力が入らない
- 手指がこわばる、脹れる
- 指を伸ばす時に引っ掛かる
- 突き指をした
- 捻挫、骨折、打撲、脱臼をした
- 切り傷、すり傷などの外傷を負った
- 交通事故にあった、仕事中にけがをした など
診察について
当院の診察についてですが、まずは問診から行います。ここでは来院のきっかけとなった原因や症状がいつ頃から起き、どのような症状だったかをお聞きするほか、既往歴、服薬歴、家族歴、生活歴などについてもお尋ねします。さらに身体診察として視診(患者様が訴えている部位だけでなく、全身も含めて医師が観察)や触診(患者様が痛みなどを訴えている部位を医師が手で触って所見をとる)もしていきます。
身体診察後、詳細な検査が必要と医師が判断した場合は、画像検査(X線撮影、超音波検査、CT、MRI )、血液検査、骨密度検査、関節鏡検査なども用いるなどして、診断をつけていきます。
その結果、入院加療などが必要という場合は、基幹病院でもある明石仁十病院へスムーズに診療できる手配をいたします。
症状別にみる整形外科領域の代表的疾患
首の痛み
- 頸椎症
- 寝違え
- むち打ち症
- 頸椎症性神経根症
- 頸椎椎間板ヘルニア
肩のこり、痛み
- 頸肩腕症候群
- 五十(四十)肩(肩関節周囲炎)
- 肩腱板損傷
手のしびれ
- 頸椎椎間板ヘルニア
- 手根管症候群
肘の痛み
- 腕骨外側(内側)上顆炎(テニス肘、野球肘など)
- 肘内障
- 肘部管症候群
- 変形性肘関節症
- 離断性骨軟骨炎
手・手首の痛み
- 手根管症候群
- 関節リウマチ
- 腱鞘炎
- 手指変形性関節症
手の指の痛み
- ばね指
- 突き指
- デュピュイトラン拘縮
- ヘバーデン結節
腰の痛み
- 腰痛
- ぎっくり腰
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 変形性腰椎症
- 腰部脊柱管狭窄症
- 胸・腰椎圧迫骨折
- 腰椎分離・すべり症
- 坐骨神経痛
- 骨粗鬆症
ももの付け根の痛み
- 変形性股関節症
- 単純性股関節炎
足のしびれ
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
- 慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)
膝の痛み
- 変形性膝関節症
- 靭帯損傷
- 半月板損傷
- オスグッド病(小児)
- 関節水腫
- 関節ねずみ(関節内遊離体)
すねの痛み
- シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)
足の痛み
- 足底筋膜炎
- 扁平足
- アキレス腱断裂
足指の痛み
- 外反母趾
- 巻き爪(陥入爪)
- 痛風
スポーツ傷害
スポーツ傷害とは、スポーツや運動をする際に起こり得る身体的な損傷や怪我のことを指します。スポーツは強度の強い運動や、繰り返す運動を伴うため、原因がはっきりしている強く急な外力で発生する外傷(いわゆる怪我)や、身体を繰り返し何度も使いすぎて発生する障害が起こるリスクがあります。
スポーツ傷害の原因
捻挫や骨折
急激な方向転換や衝撃によって、関節や骨が損傷を受けることがあります。例えば、サッカーやバスケットボールなどでの転倒や衝突によるものがあります。
筋肉や腱の損傷
過度な負荷や突然の運動によって、筋肉や腱が痛められることがあります。ランニング中のハムストリングの痛みやテニスの肘(テニス肘)がその例です。
関節の損傷
スポーツにおいては、関節への負荷が非常に高くなることがあります。その結果、関節の損傷や変形性関節症が発生することがあります。例えば、野球やテニスなどでの肩や肘の痛みが挙げられます。
頭部の損傷
接触競技や激しい運動において、頭部への打撃や衝突が起こることがあります。これによって、脳震盪や頭部外傷が発生する可能性があります。アメリカンフットボールやサッカーなどがその例です。
スポーツ傷害を防ぐためには、適切なウォーミングアップやストレッチ、適切な技術や姿勢の習得、適切な保護具の使用などが重要です。また、十分な休息や回復時間を確保し、過度なトレーニングや過労を避けることも大切です。
スポーツ傷害が発生した場合は、早期の治療と専門家の指導のもとで適切なリハビリテーションを受けましょう。
リハビリテーション
リハビリテーションとは
リハビリテーション(リハビリ)とは、主に病気やケガなどによって、身体機能などに障害が起き、それによって日常生活に影響が出ている状態を医学的に改善していくことで、日常生活に必要な動作(ADL)を維持あるいは獲得していこうとする、あらゆる取り組みになります。
医学的と言いましても、脳神経など様々な種類がありますが、整形外科領域でのリハビリというのは、運動器リハビリテーションのことです。その中には、理学療法、作業療法、義肢・装具療法があります。これらによって、病気やけが、老化、スポーツ外傷・障害、手術などで引き起こされた運動器の機能障害を回復、改善させていくことが目的となります。
リハビリテーションの対象となる主な症状(例)
- 首や肩が痛い
- 腕が上がらない
- 手足がしびれる
- 腰が痛い
- 歩くと膝が痛む
- けがで体がよく動かない
- 体を動かすと痛みがはしる
- スポーツ活動に早く復帰したい
- 手術後のリハビリテーション など
運動器リハビリテーションとは
日常生活で必要な動作能力を維持、回復させるために行われるリハビリが運動器リハビリテーションです。運動機能の低下とそれに伴う活動性の低下による廃用症候群(体力低下、筋委縮、関節拘縮 など)を防ぐことが主な目的となります。同リハビリには理学療法をはじめ、作業療法、義肢・装具療法があります。それぞれの内容については、以下で説明します。
理学療法
理学療法は、病気やけが、老化、手術、障害などによって運動機能が低下している患者様を対象に、運動(運動療法)や物理的な手段(物理療法:温熱、電気、水、光線 等)によって、日常生活に必要とされる動作能力を維持、回復するために行われるリハビリになります。理学療法は、運動療法と物理療法の2つに分けられますが、いずれも医師の指示のもとに理学療法士が、患者様のサポートをしつつ、運動機能の評価、訓練や指導を行っていきます。
運動療法とは
身体の全体、もしくはその一部を動かしていくことで、身体あるいは運動機能を維持・回復させることを目的に行っていきます。具体的には、立つ、起きる、座るといった基本動作のトレーニングを中心に関節可動域訓練や筋力増強訓練、持久力訓練、歩行訓練などを行っていくわけですが、これによって、筋力、柔軟性、バランス能力といった点を改善していきます。これは患者様ご自身がもつ自然治癒力を増進させる効果があるとされ、運動器リハビリテーションの中でも中心的とされるメニューでもあります。
物理療法とは
物理的な刺激を身体に与えていき、それによって引き起こされる生体反応を利用していくことで、運動機能などを改善していくリハビリが物理療法です。具体的には、ホットパックや超音波療法によって患部の表面や深部を温め、血流の増加や代謝の促進、痛みを軽減させるなどしていく温熱療法、それぞれ異なる周波数の電気刺激で筋肉の萎縮を予防、疼痛を和らげるなど、低周波治療をはじめとする電気(光線)療法、さらに水の浮力や抵抗力を利用していく水治療法のほか、牽引療法(引く力を身体のある部分に加えていくことで、骨折、関節変形、拘縮といった症状に対する治療を行っていく)などがあります。
作業療法
心身に障害がある患者様が、生活をしていく中で日々必要とされる動作や社会的適応能力を回復することができるよう、いろいろな作業を行うことで症状を改善していこうとする取り組み(リハビリ)が作業療法です。主な内容ですが、機能的作業療法(ペグボードなどを用いて関節可動域の制限や筋力低下の改善や予防をしていく)、日常生活動作訓練(調理・食事・トイレ・入浴などの日常生活動作を向上させるために行う訓練)、心理的作業療法などを行っていきます。
義肢、装具療法
何かしらの原因で欠損が生じた手足の代わりとなる義手や義足、運動を補助する装具を用いるなどして行う運動器リハビリテーションを義肢、装具療法と言います。